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経営者の離婚問題


「私は,会社の経営者です。離婚をしたいのですが,配偶者に多額の財産を持っていかれないか不安です。経営者が離婚をする場合に注意点はありますでしょうか・・・。」

1 解決のポイント
  婚姻中に夫婦の協力で得た財産は,離婚の際に,夫婦間で清算し,分配することとなります(財産分与)。
  財産分与とは夫婦の財産を清算するものですから,会社の財産など,夫婦以外の第三者名義の財産は,原則的として財産分与の対象とはなりません。
  もっとも,第三者名義の財産であっても,夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産と認められる場合は,財産分与額を決定する際に考慮されることがあります。
  本件でいうと,会社名義の資産は,財産分与の対象とならないのが原則です。しかし,経営する会社が個人事業のような法人で,実質的には夫婦が協力して形成した財産であるといえる場合には,会社名義の財産であっても,財産分与額を決定する際に考慮されることがあります。
  そのため,会社の経営者は,離婚の際,個人の資産だけでなく,会社の資産の一部まで配偶者に持っていかれてしまう可能性があるため注意が必要です。

2 裁判例(大阪地判昭和48年1月30日)
  会社を経営する夫と,従業員として働く妻が離婚した事例で,裁判所は次のように判断したうえ,会社名義の資産を財産分与額決定の際に考慮しました。
株式会社Aは株式会社組織ではあるが、右会社は夫婦の婚姻後,夫がその個人営業により得た資金を投下して発足させた従前の個人営業の延長であり、夫個人が実質上の管理処分権を有していたことが認められるから、財産分与請求につき判断するに当っては、夫個人の営業と同視するのが相当である。

3 その他の問題 
  会社の経営者は,一般的に年収が高額な方が多いため,離婚をする際,財産分与の他にも,慰謝料,養育費,婚姻費用などお金の問題で争いとなることがよくあります。
  また,経営者であれば,配偶者を従業員として雇っていた場合の雇用関係トラブルなどの法的問題も考えられます。
  経営者の離婚には多くの問題がありますので,離婚分野に詳しい専門家に相談する必要性が高いといえます。